一般質問と答弁の全文②(世代交代と再編による生産性の向上)

2020.06.24

次に、世代交代と再編による生産性の向上についてお聞きします。
昨年12月議会の一般質問でも申し上げましたが、先進諸国のなかで日本の生産性が極めて低い原因は小規模企業が多すぎることだと言われています。生産性は、単に効率よく儲けるための無機質な数値だけではなく、企業が従業員に結婚出産へ向かえるだけの十分な給与を支払い、産休育休や社会保険など良好な労働環境を提供し、その結果魅力的な就職先として秋田の社会減を抑制し、そして今回のような危機に瀕しても雇用をしっかりと守り切ること、といったいわゆる社会の公器としての機能を果たすために不可欠なものであります。県内の経営者からよく言われるのは「秋田の経済では高い給料を支払えない」という声ですが、しかしマクロな視点でみるとこれは発想が逆で、高い給料を支払えない企業が多い結果秋田の経済が悪いのだ、ということもできます。現状を打開するためには、原因を他に求めるのではなく自分たちが変わるしかありません。そのために必要なのは、世代交代と企業の再編だと私は思います。
中小企業庁の調べによると、直近3年間で売上が増加した企業の割合を経営者の年代別にみた場合、最も高いのが30代で51.2%です。以下20代が38.9%、40代が33.8%と続き、50代は26.0%、60代が21.8%、そして70代以上は14.4%となっています。ふりかえって本県の社長年齢は、帝国データバンクの最新の調査で平均61.9歳と、岩手県と並んで全国最高齢となっています。私の同世代以下の経営者からは、上の人たちが強すぎて新規参入できないとか、業界を変えていきたいが上の人たちが絶対に許さない、といった声をこれまで聞き飽きるほど聞いてきました。そろそろ知事、秋田も若返りませんか。今の人口構成ならぎりぎり間に合います。しかしこれ以上若い世代が減ったら、もう秋田の経済や人口を回復させていく自信はありません。このコロナ危機を契機に、例えば若い企業の成長投資を大胆に支援したり、高齢の経営者からの事業承継を金銭的支援なども含めて強力に促進するなど、一気に秋田の経済を若返らせるような政策をお願いしたいのですが、いかがお考えでしょうか。


(知事答弁)
私は、これまで商工団体との意見交換の場などにおいて、時々、過激な発言と批判も受けますが、経営者の若返りの必要性のほか、中小企業の力を結集した協業や企業合併等の手法により、中堅企業を目指すべきと発言しており、県においてもグループによる取組への支援を拡充したところであります。
産業構造の転換が進む時代にあっては、旧来型の知識のみで経営は成り立つものではなく、また、一定の資本力があればこそ先に進めることから、経営者の若返りや、中堅企業化は時代の必然であります。
このような中にあって、県では今年度、事業承継時の経営者保証を不要とし、将来のリスク軽減を図る新たな制度融資を創設するとともに、事業引継ぎ支援センターが中心となって、若い経営者による老舗企業の事業承継を支援するなど、円滑な承継に向けた多様な取組を展開しております。
また、成長が見込まれる若い企業に対しては、事業性評価に基づく積極的な金融支援を行うほか、国の地域未来牽引企業の指定による総合的なサポートの活用を促進するなど、意欲的な事業展開を支援しているところであります。
県としましては、こうした企業の実情に応じたきめ細かな支援により、若い世代の新たなビジネスへの挑戦を後押しし、本県経済の活性化に努めてまいります。