秋田県の飲食店の 2/3 が廃業の可能性
「飲食店ばかりが大変なのではない」という声に対し、肌感覚ではなくエビデンスをもって答えるために、自民党秋田県連の青年局が全県の1000店舗に対し飲食店緊急アンケートを実施した(647回答)。うすうす予想はしていたものの、最もショッキングだったのは冒頭の数字だ。「事業が継続できなくなる(廃業する)可能性はありますか」という設問に対し、「近いうちにあると思う」が最多の41.2%。「今年中にあると思う」が25.4%と、実に全体の66.6%が廃業の可能性があると回答したのである。
これまで秋田県は何度も飲食店への支援制度を講じてきた。県独自の支援としては、これまでむしろ他県よりも手厚いものであったと思う。しかし第6波というかつてない感染拡大に際し、先日の投稿のとおり、まん延防止等重点措置を適用したかどうかというところで他県(の適用になった地域)と大きな差ができてしまった。まん防本来の適用要件に合わなかったことも事実だろうし、度重なる飲食業支援によって他業界との不公平感が高まっているのも間違いない。だがしかし、「2/3が廃業の可能性あり」というとても受け入れがたい現実が目の前にあるのだ。
青年局長である佐々木雄太県議(にかほ市)が県議会総括審査で知事にこのアンケート結果をぶつけ感想を求めたところ、ぶぜんとした表情で「実感のとおりです」の一言だった。居並ぶ県幹部も一様に迷惑そうな表情。おそらくプレミアム飲食券発行でこの件は手打ち、というつもりだったのに、今さら余計なことを‥ということだったのだろう。佐々木県議は様々なデータを用いて危機を訴え、無理筋であることは承知のうえでさらなる支援を求めたものの、やはり知事は否定的であった。この1ヶ月弱、アンケートの立案・作成・全県への配布・集計分析と走り回ってきた(私を含む)若手県議団は己の無力さを思い知らされた。
今回のやり取りでずっと感じていたのは、「ポピュリズム VS(対概念ではないが)官僚主義」の構図だけでなく、世代間のギャップの大きさである。「もう飲みに出ることもそう多くないし、秋田の繁華街がさびれてもまあ時代だから仕方ない」と思える世代と、「これからも飲みに行くし、アフターコロナでは反転攻勢をかけて秋田を繁栄させてやる」とか「子どもたちの世代に衰退した街を残すわけにはいかない」と考えている世代。この感覚の差は非常に大きいと感じた。私たちは秋田を彩る名店たちを、心から、本当に、失いたくないのだ。生産性やら納税額といった切り口からは冷たい目線になるのかもしれないが、他産業と決定的に異なるのは「町の魅力」に大きな貢献をしていることだ。この価値は数字で測れるものではなく、街並みの一部、文化の一部として守らないといけないのだ。
そして知事のよく言っていた産業構造の転換(要するに2次会のお店は相当なくなるし、実力店のみが生き残るという大変化)は、皮肉なことに感染拡大地域では起きそうにないことがわかってきた。知事の言う税金の垂れ流しによって多くの店が延命しているからだ。つまり日本全体の飲食パラダイムシフトは起きず、単に「コロナを乗り越えられなかったいくつかの残念な地域」に秋田が含まれてしまうだけ、に終わりそうだということである。
無力で申し訳ないが、秋田の飲食店を救うために声を大にしていいたい。
マスクをし、飲みに出よう。
※私は長男の入試も終わり、今月から積極的に出かけています。
※以下にアンケートの結果報告全文を掲載しているのでどうぞご覧ください。ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。