6月議会一般質問全文③中小企業への支援(1)
2022.06.16
(1)労働力の確保と外国人材の活用
【質問】
初めに、労働力の確保について伺います。全国一のスピードで進む本県の人口減少ですが、なかでも15歳から64歳までの生産年齢人口は毎年約1万人のペースで減少しており、2020年に50万人余りであったものが、2030年には40万人を切ると予測されています。今般改訂された秋田県人口ビジョンでは、目指すべき将来人口として、2030年に出生率がV字回復して1.5台後半、かつ社会減も激減して年平均1,600人程度と仮定する「推計2」をモデルにしています。しかしその夢のような数値を達成できたとしても、生産年齢人口の減少はさほど変わらず、2030年にせいぜい40万人をかろうじてキープする程度に留まる推計となっています。端的にお聞きしますが、こうして10年間で働き手が確実に2割は減少するという厳しい現実を前に、知事は秋田県の経済展望をどのようにお考えでしょうか。人口に伴って経済規模も縮小してよしという認識なのか、何とか外から人を連れてきてでも経済規模は維持しようと考えておられるのか、お知らせください。
国としては、少子高齢化の抜本的な解決が望めない現実を受け、近年外国人材を積極的に活用する方向に舵を切りました。生産年齢人口の減少スピードが相当速い本県において、私は外国人材の活用は喫緊の課題であると思います。何も他県に先んじて国際都市を目指そうというのではありません。本県よりもはるかに人口の少ない他県を差し置いて、外国人労働者数が何年も全国最少であり続けている現状は明らかにおかしく、人出不足のために外国人材の活用を検討する県内企業への県のサポート体制が足りないのではないかと考えるのです。県は平成30年に秋田県外国人材の受入れ・共生に係る連絡協議会を立ち上げましたが、これまで協議会を2回開催したのみでコロナ禍が始まってからは一度も開かれておらず、県内の外国人労働者の現状把握すら十分にできていないように見えます。令和元年からは外国人雇用サポートデスクという名称の組織を設置していますが、これは入管手続き等の相談窓口を行政書士会に委託したものであり、県が積極的に県内企業をサポートしようという姿勢とは到底思えません。茨城県などでは外国人の雇用をめざす企業に人材のマッチングから定着支援までも行う「外国人材支援センター」があり、雲泥の違いがあります。県内の有効求人倍率は全国屈指の高さであり、これは人出不足の深刻さの表れです。国の入国規制も緩和されている昨今、国内外での外国人材の獲得競争に敗れ続けることのないよう、機を失せずに県内企業への万全のサポートをすべきと考えますが、知事はいかがお考えでしょうか。
【答弁】
(知事)
将来に夢と希望を持てる秋田の創生に向けては、人口減少下にあっても、高付加価値型産業への転換などを進めながら、経済規模を維持していくことが重要であると考えており、そのためには、県内産業における生産性の一層の向上を図るとともに、その担い手として一定の労働力を確保していくことが必要であります。
県では、若年者等の県内定着や、潜在的労働者の割合が高い女性や高齢者の就業促進のほか、県外からの移住の促進や、外国人材の受入れなどにより、県内企業の人材確保につなげていきたいと考えております。
外国人材の受入れについては、関係団体などから構成される連絡協議会を設置して情報共有等を図るとともに、外国人雇用サポートデスクの開設のほか、外国人相談センターでの相談対応や日本語指導サポーターの養成を行うなど、受入れに向けたサポート体制を整備してきたところであります。
国では、今年3月以降、水際対策を緩和し、県内でも、縫製業を中心に外国人材の受入れを再開する企業が増えてきておりますが、コロナ禍により企業のニーズが変化してきていることも考えられることから、複数の企業が連携して受入体制を整備するなどの事例を紹介しながら、労働局や関係団体等と連携し、改めてニーズの把握を行い、企業からの相談にきめ細かに対応するなど、外国人材の受入れに向けたサポートを行ってまいります。