一般質問と答弁の全文⑥人と消費の地元回帰運動

2020.06.26

次に、人と消費の地元回帰運動について伺います。
集中から分散へというパラダイムシフトによって、田園回帰の傾向がさらに強まるだろうと言われています。これは人口減少に歯止めのかからない本県にとって最後のチャンスと言えるのではないでしょうか。
県としてまず取り組むべきは、社会減を減らすための徹底的なキャンペーンだと思います。厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率は1.32まで急落し、4年ぶりの低水準となりました。この傾向はまだまだ続くと思われますが、本県の過去の社会増減を分析すると、全国の有効求人倍率が上がれば人口流出が進み、下がれば流出は抑制されるという明らかな傾向があります。つまり今はまさに社会減抑制政策にとっては千載一遇の好機なのです。県内の学生たちには、過密な大都市へ行かずに地元で働き暮らそうというメッセージを。大都市にいる本県出身者には、今こそ地元へ戻って家族と安心な暮らしをしようという優しい呼びかけを。こうした地元回帰志向に訴える働きかけが、今のところ本県の取り組みにはあまり強く感じられません。まずはこのコロナ時代の強力なふるさと回帰PRを展開すべきと考えますが、知事はいかがお考えでしょうか。(Q⑥-1)

また人を秋田に取り戻す政策とともに、進めなければならないのは消費の取戻しです。知事もしばしば県際収支の赤字額に言及され、この度の飲食・宿泊業の県内消費喚起策等も各業界から高く評価されているように感じますが、これを機に今一度、今回のプレミアムクーポン等に限らず、継続的に地元の店や商品を使おうという県民運動を展開すべきではないかと思います。新型コロナのもう一つの影響としてインターネット通販が伸びています。インターネット通販で他県の物を買うと、これは秋田にある大手チェーン店で買い物するよりもさらに域内還元率の低い取引であり、できれば同じ商品なら地元のお店に出かけて買おうという風潮と、さらには「1円でも安く」ではなく少しばかり高くても地元のものを買おうという空気をこの新型コロナを契機に定着させたいものですが、知事のご所見をお聞かせください。(Q⑥-2)

(知事答弁)

(⑥-1)新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、首都圏等における過度な人口集中による負の側面が浮き彫りになったと受け止めており、全国的に、ふるさとへの回帰や地元定着を志向する傾向が更に高まっていくものと考えております。
これまで、県では、県出身者やその保護者に向けた「あきた回帰キャンペーン」を展開しているほか、高校生や大学生等の県内就職の促進にも積極的に取り組んできており、県が関与する移住者数は着実に増加し、高校生の県内就職率も改善するなどの成果が徐々に現れてきております。

(⑥-2)今後は、人材誘致という新たな視点も取り入れ、リモートワークなどにより、首都圏等での仕事を継続しながら本県への移住が可能となる支援制度を創設するなど、移住施策の充実を図りながら、豊かな自然と充実した教育・子育て環境の中で、安全・安心に暮らすことができる秋田の魅力を十分にPRし、ふるさと回帰の流れを確実にとらえ、本県における社会減の抑制につなげてまいります。