豊富な観光資源がたくさんあるにもかかわらず、観光客数も観光消費額も東北最下位の秋田県。これまでの観光政策で十分な成果が出ているとはとても言えません。課題はさまざまにありますが、第一は「PR戦略の質の向上」。これまでとは異なるハイレベルなマーケティングを行い、「何を推しているのか伝わる」ブランディング戦略によって、しっかりと観光誘客や県産品の購買につなげていく。県民みなさんが「秋田はこれなのだ」と共有できるようなわかりやすいブランドを創り、「秋田には何もないから‥」と思わず言ってしまう空気自体を変えていきます。SNS・WEB広告戦略についても、受け手側をしっかり分析し、自己満足の方策ではなく「顧客に届き、来県や購買につながるPR」を強力に展開します。
本来の価値に見合った利益を得られていない秋田の宝を、徹底的に売り出します。日本屈指のアウトドア王国となりうる雄大な自然環境、隠れた名店の多い飲食業界、観光路線としてまだまだ可能性を秘めるローカル鉄道、そしてマタギやジビエなどに代表される個性的な習俗・文化。秋田が誇る、しかしいまだ十分利益になっていない魅力を世界に届け、しっかり稼げるビジネスにしていく挑戦を後押しします。
今後ますます発展していく日本のスポーツ・ビジネス。秋田には、秋田ノーザンハピネッツとブラウブリッツ秋田という国内プロリーグで活躍する2チームがあります。これらはその種目のファンだけのものではなく、地域の誇りとなりうるもの。これら県民球団を官民一体で盛り上げ、さらに多くの県民の皆さんに楽しんでいただき、県外からの誘客と消費拡大に生かします。サッカースタジアムは経済波及効果を最大化できる町なかへ。試合がないときも、市民スポーツ、ライブや飲食さらには防災といった、県民みなさんが活用でき、利益を生み出せる施設を目指します。ただし近年の建設費高騰を鑑みると、既存施設の改修も視野に入れながらコストダウンを図り、県民の理解を求める姿勢が重要だと考えています。
美術、音楽、演劇などの芸術文化を鑑賞する環境を充実し、観光コンテンツとして生かすとともに、県民の皆さんが地元で文化をより楽しめるような秋田県をつくります。県立美術館はレオナール・フジタの知名度をさらに生かし、国内外からのさらなる誘客に挑戦。音楽についてはこの度オープンしたミルハスに加え、より大きなハコとして新県立体育館等を最大限に活用し、大物アーティストの公演を誘致します。演劇は観るのみならず県民自らが演じる環境を充実させるため、民間の小劇場や映画館などもしっかり応援します。
高齢者と障がいのある方にも優しいユニバーサル・ツーリズムや、ペット同伴旅行など、多様な旅のニーズにしっかり応えられるような観光地を目指します。さらにゼロ・カーボン観光の取り組みを強力に推進し、風車の視察観光を目玉としてカーボンニュートラル最先進地にふさわしい新しい観光スタイルを確立していきます。
宿泊施設の不足や二次アクセスの弱さを補う対策として、シェアリングサービスの充実を図ります。空き家・空き部屋を活かした民泊事業、休日などの空き駐車場を利用した駐車場シェアリングなど、様々なサービスが日本でも普及していますが、秋田県では参入事業者が少ないのが現状。こうした新しいサービスの情報提供や啓発を強化し、観光客受け入れ能力の向上と県民所得の向上につなげます。